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I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

それとなく興味のある反出生主義についてのメモ

ただ、考えなければならないのは、貧困でもなく、差別も受けず、家庭環境も円満なのに、反出生主義の考え方をもつ人はいるということです。もし魔法のようなものでその人が抱える外的要因が全部解決したとする。そうしたら「生まれてこなければよかった」とか、「子どもを産まない」とか思わなくなるのかといえば、そうではない。この点は多くの人の直観に反することかもしれません。

—— 確かに、さしあたり自分の人生に不満はなくても、「反出生主義」に共感する人がいますね。取材時の驚きの一つでした。条件付きの「こんな人生なら生まれてこなければよかった」ではなくて、本質的に「生きる価値」について疑いの目を向ける人がいる、ということですか

そういうことです。実はこの問いに、多くの人がなんとなく気づいているんじゃないのか、という気がしています。これは実は多くの人が抱えている、「真正の哲学的問題」である可能性があります。