もう随分と前から見ようと思っていてそのまま放置していたのが、Prime Videoで公開されていて公開期間も残り数日だというのでこの機会に見るしかないと思って見てみたら、ものすごいよかった。ここ数年で見たものの中で、一番よかったかもしれない。だけれど、一体何がよかったのかと言われると、よくわからない。役者は、デヴィッド・ボウイとか坂本龍一とかビートたけしとか、本職でない人たちで、本人たちも言っているように演技はひどいし、（ローレンス役の人の片言の日本語も含め）セリフがよく聞き取れない。セリフが聞き取れないので、どういう話なのかもよくわからん。しかし、そうしたところも全部ひっくるめて、どういうわけか、よい。坂本龍一のサントラについても、学生の頃にサントラ盤だけを聴いていて、その時は曲も単調、音もチープでいまいちパッとしないなあという印象だったのが、映画と合わせて聴いてみるとものすごいよい。まあ、それはサントラあるあるだとしても、カンカン照りの湿気たジャングルの映像に、雪が舞い深々と降り積もるような表題曲を当てるという、どう考えてもヘソ曲がりな選曲も、悪くないのである。そういう奇妙さというか雑味をふんだんに含み混ぜたものこそが映画なんだと言わんばかりの、見る人によっては同じ理由で傑作とも駄作ともなりえるような感じ。
