読んだもの観たもの

I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『14歳からの資本主義 君たちが大人になるころの未来を変えるために』

NHKの「欲望の資本主義」シリーズの制作担当者が書いた本ということで。14歳からの〜ということだが、内容的には、入学したての大学1年生に最初に読ませる本として使えそうな感じ(でもそうすると「14歳からの〜」という但し書きが邪魔になるが)。あと、著者が考えていることが半ば雑談的にザーッと並べて語られるという感じで、緻密に論を組み立てていくような本ではないのだが、なぜかこういうのの方が学生にとっては読みやすく感じられるようで、でもこういうノリで卒論を書いてもいいと誤解されてしまうと大変なので、そういう意味でも、入学したての1年生くらいの時期がいいかなと。内容的には、テクノロジーは人間からルーティンワークを奪い、人間は創造的であらねばならくなった――すなわち、今や創造性が搾り取られている――というところとか、それが格差の拡大につながっているところとか、現代企業がわれわれの心(共感・感動・イイね)を奪い合っており、私たちはどんどんと羨望を加速させていくというところとか、10代の学生からしてもグッとくるのではないかと思う。