例のコミュニティマネジメント論という授業で、家族の次はAIと人のつながりについて話すということで、無難にやるなら「AIが仕事を奪う？」「AIに代替されない能力を身につけよう！」みたいな話をすればいいのだろうけど、それだとあまりに面白くないということで、「企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程情報化されていない近未来」を舞台に、人間と区別がつかなくなるほど高度化したAI（機械）と人間との境界を考えてみる（すなわち、人間とは何か、生命とは何かを考えてみる）という思考実験を学生にやらせてみようと思った。難しすぎる課題だが、こういう議論があるということに触れるだけでもいいだろう。
というわけで、攻殻機動隊を見たのだった。実はアニメ映画の方を見たことがなくて、原作漫画よりはわかりやすいと聞いていたが、相変わらずのわからなさだった。こんな話だっけ、と思って原作を読み返してみたら、なんとアニメのストーリーは、原作の様々なストーリーをつぎはぎしながらひとつの新しいストーリーとして再構成したもののようで、よくもまあここまで編集したなあと驚いた。草薙素子のキャラは原作と違って終始シリアスな感じだが、アニメの方が全体的に暗い雰囲気なので、それはそれで作品とうまく調和している。
ちなみにハリウッド版のやつは、草薙素子がなんか途中で自分探しをし始めたので、そこで見るのをやめた。
