読んだもの観たもの

I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『エレファントヘッド』

エレファントヘッド (角川書店単行本) 作者:白井 智之 KADOKAWA Amazon

『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ——コンテンツ消費の現在形』

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書) 作者:稲田 豊史 光文社 Amazon

『なぜ科学を語ってすれ違うのか ソーカル事件を超えて』

なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて 作者:ジェームズ・ロバート・ブラウン みすず書房 Amazon 大学院生の頃に読み,その後もいくどか手に取って参照したであろうこの本を,先日改めて読んでいたところ,びっくりしたというか,自分のあまり…

『忌録: document X』

忌録: document X 作者:阿澄思惟 A.SMITHEE Amazon 年末年始に読んでたモキュメンタリーからの流れで。近頃似たような作品を読みすぎて,正直どれがどれだが整理がつかなくなってきているが,私としては,これが一番良くできていると感じたかな。短編が4話収…

『「能力」の生きづらさをほぐす』

「能力」の生きづらさをほぐす 作者:勅使川原真衣 どく社 Amazon よい本です。著者は教育社会学を学んだ組織開発コンサルタントの方だということで,ハイパーメリトクラシーとか人材開発業界(能力屋)とかの問題点を指摘した上で,個人の能力ではなくて,組…

年末年始はモキュメンタリーだった

近畿地方のある場所について 作者:背筋 KADOKAWA Amazon 変な家2 ~11の間取り図~ 作者:雨穴 飛鳥新社 Amazon かわいそ笑 作者:梨 イースト・プレス Amazon メタフィクションとか好きなくせに,最近までモキュメンタリーという言葉すら知らなかった怠惰な私…

『集団力学 グループ・ダイナミックス』

集団力学―グループ・ダイナミックス (1969年) (文庫クセジュ) 作者:ジャン・メゾンヌーヴ Amazon ブログを更新している暇がなかなかなかったのだが、この10月はこれまで避けて通ってきた集団力学について勉強しなおしていたのだった。これはそのうちの一冊。…

『企業が求める〈主体性〉とは何か 教育と労働をつなぐ〈主体性〉言説の分析』

企業が求める〈主体性〉とは何か:教育と労働をつなぐ〈主体性〉言説の分析 作者:武藤 浩子 東信堂 Amazon 昨今、「主体性」という言葉はとにかくポジティブな価値を帯びたものとして、各方面でご都合主義的に多用されまくっているキラキラワードなので、私…

『女ともだち 靜代に捧ぐ』

女ともだち ――靜代に捧ぐ (単行本) 作者:早川 義夫 筑摩書房 Amazon コロナで心身ともに弱ってしまって、自分などにはもうなにも成し遂げられないのではないかというような気持ちで寝込んでいた時に、まあ聴くものといえば早川義夫なわけで、そのままこれも…

『社会的構築主義への招待 言説分析とは何か』

社会的構築主義への招待―言説分析とは何か 作者:ヴィヴィアン バー 川島書店 Amazon バーの最近の論文を読んだので、ついでにふりかえり。 7〜9章に人であること(personhood)の議論あり。

『パプリカ』

パプリカ 林原 めぐみ Amazon アニメにはあんまり詳しくないので、筒井康隆に平沢進だというくらいの知識でネトフリのマイリストに長らく入れっぱなしだったのを、ついに見た。 あらすじとしては、 他人と夢を共有できる装置が研究所から盗まれた。研究所職…

『自己啓発の罠 AIに心を支配されないために』

自己啓発の罠:AIに心を支配されないために 作者:マーク クーケルバーク 青土社 Amazon 去年に買って、ちょびちょび読んだり読まなかったりしていたものを、この機に読み通してみた。身体やふるまいのみならず、精神、魂のアップグレードを目指して私たちが…

またサリンジャー(についての本)

『ライ麦畑でつかまえて』についてもう何も言いたくない―サリンジャー解体新書 作者:竹内 康浩 荒地出版社 Amazon 春休みのあいだコツコツ論文を書いて,4月になって授業の準備をなんとか間に合わせつつ学会発表もして…という感じで暮らしていたら,知らない…

エドガー・シャイン,ご冥福をお祈りします

The Clinical Perspective in Fieldwork (Qualitative Research Methods) 作者:Schein, Edgar H. SAGE Publications, Inc Amazon 組織への臨床的アプローチについて論文を書こうと思って書けないでいるうちに,エド・シャインが亡くなったそうだ。私自身は,…

『錦繍』

錦繍(新潮文庫) 作者:宮本 輝 新潮社 Amazon ものすごく久しぶりに,小説を読む。ある事件をきっかけに離別した元夫婦,その間の往復書簡で構成された小説ということで,愛憎の物語として読んでいたら,途中,生きていることと死んでいることは同じことか…

『スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック』

スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック 作者:伏見瞬 イースト・プレス Amazon 私もスピッツについては一家言二家言ある方で、初期3作が至高であるとか(あともちろん『オーロラになれなかった人のために』も忘れてはいけない)、その次の『Crispy!』…

『世界のエリートもまだ知らない スピリチュアル経営術』

世界のエリートもまだ知らない スピリチュアル経営術: あなたのビジネスが上手く行かない本当の理由を教えよう 作者:棚田克彦 Amazon 職場スピリチュアリティの実例。ビジネスが上手くいかないのは戦略とか組織構造とか文化の問題として色々論じられているけ…

最近はこの辺のをパラパラと

魂を統治する 私的な自己の形成 作者:ニコラス・ローズ 以文社 Amazon 治療は文化である―治癒と臨床の民族誌 (臨床心理学 増刊第12号) 作者: 金剛出版 Amazon 現代スピリチュアリティ文化論――ヨーガ、マインドフルネスからポジティブ心理学まで 作者:伊藤雅…

『経営者のこころ チェスター・バーナードとの対話』

経営者のこころ―チェスター・バーナードとの対話 (1978年) (日本バーナード協会シリーズ) 作者:W.B.ウォルフ 文真堂 Amazon ウォルフによるバーナードの死の2ヶ月前のインタビュー。バーナードによると、『経営者の役割』の元となったローウェル講義はほとん…

『日本の経営』

日本の経営 作者:尾高 邦雄 中央公論新社 Amazon 1965年の著作。内容的にも、経営の近代化・民主化(=従業員参画型経営の実現)に向けた提言の書ということで、新人間関係論とかなりオーバーラップする。で、仮想敵は、やはり、と言うべきか、ヒューマン・…

『相互行為分析という視点 認識と文化』

相互行為分析という視点 認識と文化 (13) 作者:西阪 仰 金子書房 Amazon だいぶ前に買ってパラパラとつまみ読みしていたのを、通して読んでみる。エスノメソドロジー(本書では一貫して「相互行為分析」という語が用いられているが)の本。事例としては、「…

『組織行動論の考え方・使い方 良質のエビデンスを手にするために』

組織行動論の考え方・使い方 -- 良質のエビデンスを手にするために 作者:服部 泰宏 有斐閣 Amazon 服部さんの本。科学が実践に役立つとはどういうことかという問いに、組織行動論、そして、実証主義の立場から一つの答えを与える本。ざっくり言うと、(1)経…

『社会学的方法の規準』

社会学的方法の規準 (講談社学術文庫) 作者:エミール・デュルケーム 講談社 Amazon ここ最近は、自分の問題関心的にこれからどのような方法で研究を進めていこうかということを考えていて、言説分析とかどうだろうということで、フーコーの著作とかを少しず…

『『ライ麦畑でつかまえて』についてもう何も言いたくない』

サリンジャーはナインストーリーズくらいしか読んだことがなかったのだけれど、こないだ浅井健一の詩集を読んだこともあって、サリンジャー熱がにわかに高まりつつあったので、この機会に『ライ麦畑でつかまえて』(野崎孝訳)を読むことにした。 ライ麦畑で…

『ディズニーキャストざわざわ日記』

ディズニーキャストざわざわ日記――“夢の国”にも☓☓☓☓ご指示のとおり掃除します 作者:笠原 一郎 三五館シンシャ Amazon ディズニーランドで清掃員として働いていた人の本。ディズニーランドのありのままを書くということなのだが、オリエンタルランドの広報み…

『終わりなき日常を生きろ オウム完全克服マニュアル』

終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル (ちくま文庫) 作者:宮台 真司 筑摩書房 Amazon リリィ・シュシュを見たらなんか90年代を懐かしむみたいな気持ちになってしまって、90年代と言えば、そして、リリィ・シュシュとも関係のありそうな論考とい…

『人間と経営 私たちはどこへ向かうのか』

人間と経営: 私たちはどこへ向かうのか (経営学史叢書第2期 3) 作者:上林 憲雄 文眞堂 Amazon 経営学史学会叢書、新シリーズのうちの一冊。経営学が「人間」なるものをどのように捉えてきたのかという観点から、テイラー、人間関係論、バーナード、ドラッカ…

『宇宙の匂い』

宇宙の匂い 作者:浅井 健一 ビームス Amazon 世代的に中学生くらいの時にはブランキー・ジェット・シティというバンドと出会ってしまうわけで、そうすると自分の血の何割かはこの浅井健一という人でできていて、それは中二か中三くらいの細胞に流れ込んだま…

『14歳からの資本主義 君たちが大人になるころの未来を変えるために』

14歳からの資本主義 作者:丸山俊一 大和書房 Amazon NHKの「欲望の資本主義」シリーズの制作担当者が書いた本ということで。14歳からの〜ということだが、内容的には、入学したての大学1年生に最初に読ませる本として使えそうな感じ(でもそうすると「14歳か…

『コミュニケーション・スタディーズ アイデンティティとフェイスからみた景色』

コミュニケーション・スタディーズ ー アイデンティティとフェイスからみた景色 (ワードマップ) 作者:末田清子 新曜社 Amazon インスタ映えとか就活の面接とか、他者に向けて私をどのように見せるかという観点から日常のコミュニケーションを取り上げて卒論…