読んだもの観たもの

I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『錦繍』

ものすごく久しぶりに,小説を読む。ある事件をきっかけに離別した元夫婦,その間の往復書簡で構成された小説ということで,愛憎の物語として読んでいたら,途中,生きていることと死んでいることは同じことかもしれないというサリンジャー的テーマが登場してくる。けどもまあ,同じようなことを言っていても,サリンジャーとはだいぶ感触が違っていて,未来へ向けて歩む生の物語というところにちゃんと落ち着くので,読後感はしきりに胸騒ぎがするような感じでもない。