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I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック』

私もスピッツについては一家言二家言ある方で、初期3作が至高であるとか(あともちろん『オーロラになれなかった人のために』も忘れてはいけない)、その次の『Crispy!』はどうにもハマれない(特にホーンセクションが頂けない)とか、その後の『空の飛び方』『ハチミツ』は紛れもなくスピッツしているし、リアルタイムで聴いた『インディゴ地平線』は当時から古ぼけた感触の音が好きだったし、そして私にとっての「スピッツ」はその次の『フェイクファー』である意味終わったと思っている(そうそう、『99ep』を境に、新譜を追うのをやめてしまったのだった。もちろん『ハヤブサ』以降も悪くないが、ほとんど聴くことはない)。…というような話を、私だったら飲み会とかで取りとめもなくウダウダ話してしまうのだろうが、この本の著者は「分裂」というただ一つのキーワードをもとに、私なんかの10倍は上手に、適切に、スピッツを語ってくれる。だから、『フェイクファー』より後のスピッツも、改めて聴いてみようという気になったのだった。