この作品についてはDVDを持っているのだけれど、こないだ加入したシネフィルWOWOWで見れるということなので、せっかくなので見た。3人の監督が撮った3つの短編のオムニバス作品ということで、そのうちのルイ・マルは結構好きな監督だったりもするのだが、昨今の私の気分はフェリーニだということでとりあえず今回はフェリー二の「トビー・ダミット」を。一応話の筋書きとしては、トビー・ダミットというポオみたいな風貌のアル中だかヤク中だかの主人公が、どうやら少女の姿をした悪魔に纏わりつかれているらしく、最終的に不幸な結末を迎えることになるのだけれど、そこはわりとどうでもよくて、見どころはトビー・ダミット以外の登場人物がことごとく騒がしく、空虚で、不自然な連中ばかりなところ。少女の悪魔なんかより、こんな連中に始終取り巻かれていると、そりゃあ気も違うよなあという。