読んだもの観たもの

I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『先生のホンネ 評価、生活・受験指導』

Kindle Unlimitedで読んだ。学校という場には色々と人間関係上の困った問題が起こりがちで、それというのも、学校の先生に対してはどうも「先生はかくあるべし」みたいな理想像を生徒や保護者または先生自身が抱きがちで、でも実際にはそんな理想通りの先生などまずおらず、というか先生も人間である以上は場面場面によって立派でもあれば卑しくもなるわけで、だから学校では理想と現実の乖離からくる失望や落胆は日常茶飯事、で、先生の方でも生徒や同僚の先生たちから失望されたくはないわけで、なんとか自分を立派に見せようとした挙句、自己保身に精を出し始めるとなると余計問題はこじれてくる——ということで、先生と生徒(保護者)あるいは先生同士の間に生まれてくるいろいろな面倒を、長年学校教員を務めたという経歴の著者がその豊富な教員経験を活かして小説の形式で描いていく、そしてそれを通して、学校教育のあり方というか先生との付き合い方について少し冷静に考えてみましょう、という本。舞台は(中堅レベルの)高校ということで、校則(規則)の話がメインになり、組織論としてもおもしろい。で、著述がいやに社会学っぽいなと思ったら、どうも著者は社会学で博士号を取られた方だそうな。