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I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『組織文化とリーダーシップ(第4版)』

『組織文化とリーダーシップ』については、以前も書いたけど(https://tsk1024.hatenablog.com/entry/2019/10/01/180133)、それは1985年の初版の邦訳で、こっちは2010年の第4版の邦訳。で、第4版にもなると、結構中身も違っている。以前にはなかった章も追加されていたりする。大きなところの違いでいうと、初版の時は、文化は管理できるかどうかわからない、という言い方だったのが、この第4版では、組織の変革と文化の変革とを区別した上で、組織の変革のたいていのケースにおいては、文化を(大きく)変革する必要などなくて、むしろ既存の文化を利用することによって組織変革は実現される、という論調になっている。初版から25年、組織変革のコンサルタントの経験を色々と詰む中で、そういう結論に行き着いたらしい(追記:と思ったけど、よく見たら、実は1985年の初版の14章にも、文化を全面的に変革する必要はまったくないということがさらりと書かれている)。でまあ、文化を変革する、みたいなことは世間でもよく言われるし、シャインという人がその第一人者のように扱われることもしばしばであるので、彼が何を議論していたかということはちゃんと押さえておかないとなあと思うなど。