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I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『私たちはどのように働かされるのか』

ゼミのリーディング教材にするといいかなと思って読んだ。
主張としては、「労働を規制することが必要」(174頁)というもので、ここで「規制」とは、(自己責任としてではなく)法的・制度的・慣習的に労働のあり方を作り変えていくといった意味合いが含まれている。
つまり、
勤勉さを無条件に善とみなし、働くことに生きがいを見いだすことを当然視し、それを受け入れない人を頭ごなしに非難したり、独善的に矯正しようとしたりすることに疑問を呈しているのである。字義通りの多様な働き方・生き方を許容し、自分たちで働くルールを決められる社会こそが、本当の意味での豊かな社会ではないだろうか(182頁)
ということ。
もうひとつ、「働くことに誇りを持ちながらも働きすぎない」(183頁)というのが従来の職人(プロフェッショナル?)のあり方であった、という指摘も、そうなのか、と膝を打った。
ゼミで取り上げるなら、批判的思考、ということで、キャリアブームの章かなあ。
私たちはどのように働かされるのか

私たちはどのように働かされるのか