夏休みだし、社会勉強しとこうということで。
内容としては、自分の立場に固執し、異なる立場へのヘイトが撒き散らされがちな昨今、そして、アカデミアのなんか上から目線のもの言いが気に入らないという人が増えがちな昨今、あえて上から目線で、私たちの社会を語る際に頻繁に使われる(が、その意味合いがいまいちよく理解されていない)言葉について学術的に考えていこう、というもの。ということで、GDP、勤労、時代区分、多数決、政治運動、私(個人)、公正、信頼、税、歴史、公(公共)、希望、といった言葉が改めて問い直されることになる。
第2章の勤労と、第6章の私(個人)についてのチャプターがよかったかな。前者では、日本は勤労という観念が国家モデルのわりと中核的な位置を占めているけっこう特殊な国家であること、そうした勤労をベースとした国家モデルは経済成長を前提としたもので、実際うまくいっていたのだけど、成長が停滞した現在においては根本から揺らいでいること、などが書かれている。後者は、個人化論についてさくっとまとめらており、個人主義の意味合いの変遷(ネガティヴなものからポジティヴなものへ)も触れられていて、確かに勉強になった。