読んだもの観たもの

I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『武器としての決断思考』『武器としての交渉思考』

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

 
武器としての交渉思考 (星海社新書)

武器としての交渉思考 (星海社新書)

 

いやー、1月ということでゼミ生の卒論ばかり読んでいたら、久しぶりの更新になってしまった。で、3回生もそろそろ卒論に取り掛かる時期ということで、「テーマどうする?」と聞いてみたりすると、結構な学生が「どうしたらコミュニケーションがうまくなるか?」みたいなテーマをあげてくるのだけど、そういう学生に対して紹介する本(で、テーマは変えてもらう)としていいかなと思って、読んでみた。ちょうど中身も、京大での学生向けの講義をまとめたもののようだし。

著者はマッキンゼーにいた人ということで、いかにもコンサルタントが書きました、というようなことが全篇にわたって書かれている。例によって、とくに目新しさはないけど、ライフハック的なことを惜しみなく披露してくれている感じで、まあ、調子の悪い時とか、行き詰まってモヤモヤしている時に読むといいかなという本。

『決断思考』の方は、著者が京大で担当していた「意思決定論」の授業を元にしたものということで、ちょっと期待していたのだけど、中身はディベート術を決断に活かそうというものだった(経営学の意思決定論とはあんまり関係なかった)。自分的には、『交渉思考』の方が、ものごとを(経済)合理的に考えたりしない人(たとえば交渉のときに、何よりも「自分が大事に扱われている感」を重んじる人とか、相手の肩書きで対応を変えるランク主義者とか)との交渉をどうするかという話があって、まあ確かにそういう局面ってあるなぁとか思うと、読んでておもしろかった。ところで、「バカな人」と書きたいときは、「リテラシーの低い人」と言い換えればOKということなのか。