読んだもの観たもの

I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『結局、自分のことしか考えない人たち 自己愛人間への対応術』

個人化論とか個人主義の論文を読んでいると「自己愛」というのがキーワードに挙がってきて、世代的にも自分のことが書いてあるようでどうも捨て置けないというのと、あとは最近エヴァを見ていたことなどもあって、ちょっと自己愛について見識を深めておこうとフロイトをはじめ何冊か買ったうちの一番カジュアルそうなやつがこれ。タイトル(邦題)はそこそこチャラい感じではあるけれども、ちゃんとした心理学者、精神科医の人が書いている本で、自分のことしか考えない自己愛人間とどう付き合っていくべきか、そして自分がそうした自己愛人間だとしたらどう他者と接していくべきかということがまじめに論じられている。「自己愛人間は自分が与えたいものしか人に与えない」とか、まあ誰にでも多少は思い当たる節はあるのかもしれないが、なんか自分の嫌な面を次々と列挙され、まざまざと見せつけられていくような本で、読んでいてだんだん自分が嫌になってくるのが半分、よくぞ言ってくれたという気持ちが半分。