読んだもの観たもの

I'm not a very good communicator, so maybe that's why I write about talking

『相互行為分析という視点 認識と文化』

相互行為分析という視点 認識と文化 (13) 作者:西阪 仰 金子書房 Amazon だいぶ前に買ってパラパラとつまみ読みしていたのを、通して読んでみる。エスノメソドロジー(本書では一貫して「相互行為分析」という語が用いられているが)の本。事例としては、「…

『組織行動論の考え方・使い方 良質のエビデンスを手にするために』

組織行動論の考え方・使い方 -- 良質のエビデンスを手にするために 作者:服部 泰宏 有斐閣 Amazon 服部さんの本。科学が実践に役立つとはどういうことかという問いに、組織行動論、そして、実証主義の立場から一つの答えを与える本。ざっくり言うと、(1)経…

『社会学的方法の規準』

社会学的方法の規準 (講談社学術文庫) 作者:エミール・デュルケーム 講談社 Amazon ここ最近は、自分の問題関心的にこれからどのような方法で研究を進めていこうかということを考えていて、言説分析とかどうだろうということで、フーコーの著作とかを少しず…

『勝手にふるえてろ』

勝手にふるえてろ 松岡茉優 Amazon ちょっと前に話題になって気にはなっていたものの、タイトルからしてめんどくさい感じなので敬遠していたのだが、こないだ見た『桐島、部活やめるってよ』でもいい演技をしていた松岡茉優が主演ということなのでなんとなく…

『『ライ麦畑でつかまえて』についてもう何も言いたくない』

サリンジャーはナインストーリーズくらいしか読んだことがなかったのだけれど、こないだ浅井健一の詩集を読んだこともあって、サリンジャー熱がにわかに高まりつつあったので、この機会に『ライ麦畑でつかまえて』(野崎孝訳)を読むことにした。 ライ麦畑で…

『ディズニーキャストざわざわ日記』

ディズニーキャストざわざわ日記――“夢の国”にも☓☓☓☓ご指示のとおり掃除します 作者:笠原 一郎 三五館シンシャ Amazon ディズニーランドで清掃員として働いていた人の本。ディズニーランドのありのままを書くということなのだが、オリエンタルランドの広報み…

『終わりなき日常を生きろ オウム完全克服マニュアル』

終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル (ちくま文庫) 作者:宮台 真司 筑摩書房 Amazon リリィ・シュシュを見たらなんか90年代を懐かしむみたいな気持ちになってしまって、90年代と言えば、そして、リリィ・シュシュとも関係のありそうな論考とい…

『リリィ・シュシュのすべて』

リリイ・シュシュのすべて [DVD] アーティスト:市原隼人 ノーマンズ ノーズ Amazon 確かこの映画を初めて見たのは19歳か20歳の時で、誰かに勧められて見たのだと思う。で、私は映画にリアリティとか爽快感とかを別に求めないタイプなので、一部の人がこの作…

『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常』

最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (バンブーコミックス エッセイセレクション) 作者:下駄華緒,蓮古田二郎 竹書房 Amazon だいたい10代の頃から死についてずっとなんとなく興味を持っており、社会科学の研究でも死や死人に関わる研究はそれとなくチェッ…

『人間と経営 私たちはどこへ向かうのか』

人間と経営: 私たちはどこへ向かうのか (経営学史叢書第2期 3) 作者:上林 憲雄 文眞堂 Amazon 経営学史学会叢書、新シリーズのうちの一冊。経営学が「人間」なるものをどのように捉えてきたのかという観点から、テイラー、人間関係論、バーナード、ドラッカ…

『Promises ―Gatefold―』

Promises -Gatefold- アーティスト:Floating Points, Pharoah Luaka Bop Amazon 前に書いた、宇多田ヒカルの新作でいい仕事をしているFloating Pointsの、ファラオ・サンダースとの共作。どんなもんかと思って聴いてみたのだが、ファラオ・サンダースが見事…

『宇宙の匂い』

宇宙の匂い 作者:浅井 健一 ビームス Amazon 世代的に中学生くらいの時にはブランキー・ジェット・シティというバンドと出会ってしまうわけで、そうすると自分の血の何割かはこの浅井健一という人でできていて、それは中二か中三くらいの細胞に流れ込んだま…

『94diskont.』

94diskont. Thrill Jockey Amazon 何を聴こうかとApple Musicを見ていたら、Ovalの新作が出ていて「おっ」と思って、まあそれはまた後で聞こうと思って、とりあえず別のを。自分的にOvalは『Ovalcommers』とか『Ovalprocess』とかの比較的ノイジーなやつから…

『BADモード』

BADモード [Explicit] Sony Music Labels Inc. Amazon 宇多田ヒカルについては、特別ファンというわけでもないが、Youtubeで新しい曲が出ているのを見かけたら聴くというくらいの距離感で付き合ってきており、そんなわけで、今回新作が出て評判もよさげだし…

『千と千尋の神隠し』『紅の豚』

千と千尋の神隠し [Blu-ray] ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 Amazon 紅の豚 [Blu-ray] ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 Amazon そうそう、書くのを忘れていた。金曜ロードショーでジブリがやっている時は、大体見ている。それでいつも、こ…

引き続きモグワイを聴く

Rave Tapes アーティスト:Mogwai Hostess Entertainmen Amazon ATOMIC アーティスト:MOGWAI ROCK ACTION RECORDS Amazon EVERY COUNTRY'S SUN アーティスト:MOGWAI ROCK ACTION RECORDS Amazon こないだモグワイを順に聴くというのをやっていたので、引き続…

『14歳からの資本主義 君たちが大人になるころの未来を変えるために』

14歳からの資本主義 作者:丸山俊一 大和書房 Amazon NHKの「欲望の資本主義」シリーズの制作担当者が書いた本ということで。14歳からの〜ということだが、内容的には、入学したての大学1年生に最初に読ませる本として使えそうな感じ(でもそうすると「14歳か…

『コミュニケーション・スタディーズ アイデンティティとフェイスからみた景色』

コミュニケーション・スタディーズ ー アイデンティティとフェイスからみた景色 (ワードマップ) 作者:末田清子 新曜社 Amazon インスタ映えとか就活の面接とか、他者に向けて私をどのように見せるかという観点から日常のコミュニケーションを取り上げて卒論…

『桐島、部活やめるってよ』

桐島、部活やめるってよ 神木隆之介 Amazon 3本目はこれ、やっと見た『桐島、部活やめるってよ』。 桐島という「主人公」が突然部活をやめてさえいなければ、あるいは、ちゃんと学校に来てその理由を釈明してさえいれば、桐島の取り巻きやその彼女たち、そし…

『アメリカン・ビューティー』

アメリカン・ビューティー (字幕版) ケヴィン・スペイシー Amazon 新年2本目は、『アメリカン・ビューティー』。

『ブレードランナー』

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版) ハリソン・フォード Amazon 新年一発目は『ブレードランナー』。特に選定理由があるわけではないが、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は以前に読んでいたので、それを原作(原…

『椿三十郎』

椿三十郎 三船敏郎 Amazon 黒澤明を見るシリーズ。今回も見始めるまでにたいがい時間がかかったけど、見始めると一気見。2021年はこれで見納め。

モグワイをいろいろ聴いてみる

モグワイというバンドは10代の頃によく聴いていたが、それもだいたい"Come on Die Young"、次にHappy Songs for Happy People"(どちらもふざけたタイトルだ)、あとは富士銀行に、まれに”Rock Action”というくらいの感じだったので、Apple Musicでモグワイ…

京都みなみ会館でゆらゆら帝国

ゆらゆら帝国はほんの軽くしか通ってこなくて、ついにライブも見ずに終わってしまったのだけど、近所の京都みなみ会館でライブ映像の上映があるということで、しかも、音響機材の能力を最大限使って可能な限りボリュームを上げて…ということらしいので、まあ…

いつの間に11月が…

武満徹:管弦楽作品集1 アーティスト:東京都交響楽団 若杉弘 日本コロムビア Amazon あきませんね。いろいろやっているうちに、いつの間にか11月が終わってしまっていた。もう12月も中旬にさしかかろうという頃合いだが、去る11月を惜しむという意味を込めて…

某所で話そうとして全然うまく話せなかったことをまとめておく

あるところで私が経営における人間主義について何を考えているのかを話そうとしたのだが、全然うまく話せなかったので、どういうことを話したかったのかを主に自分向けに再度まとめておく。 私自身は、経営における人間(中心)主義、例えば「組織はつまると…

『乱』

乱 仲代達矢 Amazon 学生の頃に黒澤明を通ってこなかったもんだから、最近ぼちぼちと見始めている。で、この『乱』である。160分くらいあるというので、例によって借りておきながらしばらく見るのを躊躇していたのだが、一度見始めたら後はもう釘づけ。圧巻…

『ア・ゴースト・ストーリー』

A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー(字幕版) ケイシー・アフレック Amazon 以前に見た『老人と銃』(https://tsk1024.hatenablog.com/entry/2021/01/25/114441)のデヴィッド・ロウリー監督作品。『ある幽霊の物語』ということで、ジャケ写にもあるシ…

『ワイルド・アット・ハート』

ワイルド・アット・ハート (字幕版) ニコラス・ケイジ Amazon まあ愛の物語ということなのだが、どうにもアホっぽい側面が強めのデヴィッド・リンチ。

『組織文化とリーダーシップ(第4版)』

組織文化とリーダーシップ 作者:E.H.シャイン,エドガー・H.シャイン 白桃書房 Amazon 『組織文化とリーダーシップ』については、以前も書いたけど(https://tsk1024.hatenablog.com/entry/2019/10/01/180133)、それは1985年の初版の邦訳で、こっちは2010年…